テレビを見ていると国民の既成政党離れが常態化しているかのように伝えられますが、落ち着いて考えればわかることですが、本当に否定されているのは、既成政党ではなく、既成政策です。
例えば、小泉政権以前の自民党内閣の支持率は一桁でしたが、自民党をぶっ壊すとは言ったものの、自民党の中にいたまま高支持率を維持したのは小泉さんでした。
そして、小泉さんと言えば、郵政民営化。
この政策一つで彼は政権を維持し続けました。
もちろん、この政策そのものが国民の圧倒的支持を得たわけではないでしょうが、拉致問題に見る実行力を背景とした信頼が、政策の中身そのものの是非は完全には分からなくとも、自民党をぶっ壊すという言葉の裏付けとして、象徴的に多くの国民の支持を集めたということのようです。
もう一つあげれば、先の総選挙前までの民主党の支持率もほぼ10%台でした。
仮に、既成政党が否定されていたとするならば、この政党が政権交代を成し遂げることはできなかったはずです。
この既成政党民主党を政権政党までに持ち上げたのが、いわゆる「国民の生活が第一」という政策です。
確かにこの政策の財源については多くの疑問がありましたが、多くの国民はその疑問を抱えつつも民主党を支持しました。
国民は民主党に騙されたわけではなく、全部はできないことをわかったうえで支持したのです。
ですから、行政改革で20兆円あるといっていた財源が5兆円しか捻出できなかったとしても、それだけでは国民の支持をここまで失うことはなかったはずです。
民主党が国民の支持を失った本当の理由は、普天間移設の後退です。
これはお金の問題ではありません。国家のありようが既成政策である米国依存に逆戻りしたことへの失望だと私は思っています。
戦後生まれの日本人には、戦争への過度のアレルギーはありません。日本の国は日本人が守るという国家としては当然の姿を求めています。
そして、決定的なものは消費増税です。
これも、消費増税そのものの是非よりも、マニフェストに予定された改革半ばで消費税増税を口にしたことが、改革放棄と国民の目に映ってしまったことが大きな原因です。
この先、民主党の支持率は上がることはないでしょう。
そして、新たなる政策を提示することのできない自民党も支持率上昇は望めません。
これらは、既成政党が否定されたのではなく、既成政策が否定されたことの証左です。
みんなの党、維新の会がこれから先国民の耳目を集めるでしょうが、その理由は新党だからではなく、改革政党だからです。
小泉内閣、民主党マニフェスト、みんなの党、維新の会、これらの政策は必ずしも一致しませんが、一つだけはっきりしているのは既成政策の否定です。
そして、この既成政策のもとは霞が関であり、その親玉が財務省のようです。
彼らの力は強大ですが、最近の政治の流れを見ていると、私たちのように比較的政治に関心が深い国民ばかりではなく、普段は政治にほとんど関心を持たない国民も敏感にそれを察知し、選挙の時に行動するようです。
そして、この察知能力こそが戦後民主主義の発展の成果であり、おかみ依存の国家にいながらも自分で考える国民が増え続け、おかしなことはテレビが何と言おうともおかしいと堂々と考える民主的国民の自立の結果だと私は考えています。
小泉純一郎が去っても、みんなの党が埋没しても、小沢一郎が葬り去られても、維新の会が政官業労報の鉄のペンタゴンに押しつぶされようとも、寄せては返す波のごとくに、新たなうねりが、より強大な波となり、多数決の津波となった時に、日本は、本当の民主主義国になるのでしょうね。
ありがたいことです。
by 鈴木 茂
阿比留ブログは楽しい。